【動画あり】懐中電灯を使って実銃用サイレンサーを自作する方法

【動画あり】懐中電灯を使って実銃用サイレンサーを自作する方法

アメリカのMag Instrument社が製造するフラッシュライト「マグライト」(Maglite) を使って、銃の発射音を軽減するサイレンサー (サウンド・サプレッサー) を自作する過程と、そのサイレンサーを用いて実際に射撃を行う様子を収めた動画をご紹介します。

How to make a silencer that works in 10 minutes for under $20 – YouTube

「時間10分以内・予算20ドル以内で、実際に使えるサイレンサーを作る方法」と題されたこの動画では、.22 LR弾を使用するライフル用のサイレンサーを作成しています。

AR-15を含む多くのライフルのバレルには、1/2″ x 28 (直径1/2インチ、1インチあたりのネジ山数28) のネジが切られています。
電球のソケットが収まるパーツの穴の直径がちょうど半インチに近いことから、このパーツにネジを切ってバレルとの装着部に用いるようです。
また、サイレンサーの中身となるバッフル (ガスの流れをそらすプレート) には、フリーズプラグに穴を空けたものを使う、と説明されています。

 

Requested Video Shooting with the Smith and Wesson M&P 1522 Rifle Fully Suppressed – YouTube

完成した「マグライトサプレッサー」を、Smith & Wesson (S&W) 社の.22 LR口径AR-15、M&P15-22に装着しての射撃テストです。
.22 LR弾の発射音は元々それほど大きなものではありませんが、マグライトサプレッサーによって更に静かになっているように聞こえます。

 

なお、アメリカでは、サイレンサーは法的に「火器」(firearm) であると見なされ、連邦火器法 (National Firearms Act; NFA) の規制を受ける「タイトルIIウェポン」(Title II weapon) に指定されています。その為、正式な手続きを経ずにサイレンサーを製造・所持したり販売することは重罪となります (10年以下の懲役、または1万ドル以下の罰金、もしくはその両方が課される)。

合法的にサイレンサーを自作するには、タイプ7またはタイプ10の連邦火器ライセンス (Federal Firearms License; FFL) を取得してクラス2の特殊職務納税者 (Special Occupational Taxpayer; SOT) になるか、「フォーム1」(Form 1) と呼ばれる火器製造の申請書類を記入し、200ドルの税を納めてATF (アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局) に提出、ATFの承認を得る必要があります。

(ただし、カリフォルニア州とニューヨーク州を含む11の州では、州法によってサイレンサーの所持が禁止されています。)

 

ところで、日本には実銃用サイレンサーの製造・所持・販売を規制する法律は無いのでしょうか?
銃砲刀剣類所持等取締法 (銃刀法) や武器等製造法など、日本の銃規制法を一通り確認してみましたが、サイレンサーの規制に関する条文は、どうやら次の一つだけであるようです。

(消音器等の所持の制限)
第四条第一項第一号の規定による許可を受けた者は、許可に係る猟銃又は空気銃に取り付けて使用することができる政令で定める消音器、弾倉又は替え銃身を所持してはならない。

― 銃砲刀剣類所持等取締法 第10条の7

少なくとも、猟銃・空気銃を所有していない限り、サイレンサーの所持は何ら問題ないようです。
また、武器等製造法とその施行令における「武器」の定義にもサイレンサーは該当しないため、製造・販売も問題ないと言えるでしょう。

しかし、サイレンサーの輸入に関しては、経済産業省が公表する「輸入割当てを受けるべき貨物の品目」の第93類「武器及び銃砲弾並びにこれらの部分品及び附属品」 (PDF)、第93.05項「第93.01項から第93.04項までの物品の部分品及び附属品」の中に「消音器」と明記されているため、一筋縄では行かないと思います。

 

ちなみに、「マグライトサプレッサー」の元ネタは、ゾンビによる世界の終末を描いたアメリカの人気ドラマ『ウォーキング・デッド』(The Walking Dead) であるとのことです。

(Source: IMFDB.org)
(Source: IMFDB.org)