ダットサイトなどの光学照準 (オプティクス) をピストルに載せて運用することは、射撃競技の世界では十数年前からありました。現代ではオプティクスの小型軽量化が進み、オプティクスを搭載したピストルを見掛ける機会が以前よりも多くなっていますが、果たしてそれが実用的なのかどうかと議論されることも少なくありません。
そんな中、アメリカのノリッジ大学 (Norwich University) の学生が、ピストルにおける伝統的なアイアンサイト (オープンサイト) と、ピストルに搭載可能な小型ダットサイトの有効性を検証・比較した研究結果を発表していたことが明らかになりました。
研究を行ったのは、ノリッジ大学 社会司法学部の James E. Ryan さんと Robin Adler さん。
ノリッジ大学は、ヴァーモント州にある、アメリカ最古の私立の士官学校 (1819 年設立) で、「予備役将校訓練課程 (ROTC) 発祥の地」として米国防総省に承認されています。
検証に使用されたのは、9 mm 口径のコンパクトオートであるグロック 19 と、Trijicon 社の小型ダットサイト “RMR” (Ruggedized Miniature Reflex)、そして IDPA (International Defensive Pistol Association) の規格に準拠したシルエット・ターゲット。
様々な射撃経験を持つ、または持たないノリッジ大学の学生 27 人を 2 つのグループに分け、13 人はアイアンサイト、14 人は Trijicon RMR を使用します。ターゲットを配置した全 4 ステージのトレーニングコースを回り、アイアンサイトを使用した場合と Trijicon RMR を使用した場合で、ターゲットへの命中率を比較します。
検証の結果、Trijicon RMR はアイアンサイトよりも効果的だという結論が導かれています。また、軍・法執行機関で訓練を受けた経験がある射撃技術が高い者は、より効果的に RMR を使用することが出来るということも示されました。
レポートの全文 (PDF) は、以下から閲覧することが出来ます。
Comparative Pistol Project: Final Report – Norwich University
References:
- Norwich University Study On Trijicon RMR Vs Pistol Iron Sights – Soldier Systems Daily
- Norwich University – Wikipedia, the free encyclopedia
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