ドイツのニュースブログ「STRATEGIE & TECHNIK」が先月28日に報じたところによると、Heckler & Koch社によるHK416の最新モデル「HK416A5」をドイツ連邦政府が採用し、「G38」(Gewehr 38)と命名された模様。
また、ある政府機関(詳細は不明)では既に、11インチバレル仕様のHK416A5を「G38C」として調達しているとのことです。
HK416A5は、アメリカ陸軍の次期主力カービン(Individual Carbine)選定に向けてHK416にいくつかの改良が加えられたもので、サプレッサーの使用を想定したガスレギュレーターの装備や、デザインが見直されたレシーバーなどが特徴的です。
HK416の7.62mm NATO弾モデルであるHK417は、「G27」の名でマークスマンライフルとしてドイツ連邦軍に用いられていましたが、後にHK417の民生用セミオートモデルであるMR308を基に改良を加えたものが「G28」として採用されました。
なお、G36に次ぐ次期サービスライフルとしてドイツ連邦軍がHK416A5(G38)を配備するかどうかはまだ分かりません。SIG SG 551が「G37」として採用された際も、GSG-9(連邦警察)などの法執行機関での使用に留まっています。
アフガニスタンに展開するドイツ連邦軍の部隊から挙がった「G36は連続射撃によりバレルが加熱すると命中精度が低下しやすい」という声と、メディアによるネガティブ・キャンペーンにより、G36の信頼性には数年前から陰りが見え始めました。しかしドイツ連邦国防省とH&K社は、G36に対するこれらの批判的見解に対して反論を続けています。
また、「弾が真っ直ぐ飛ばない」としてドイツ連邦軍がG36の新規調達を一時停止した問題については、その原因はG36ではなく、使用していた弾薬にあったことが調査の結果明らかになりました。
しかしながら、HK416A5は主力サービスライフルとしての素質を十分持っていると僕は思います。17年ぶりのサービスライフル更新となるか、それとも一部のみでの運用となるのか、今後が楽しみです。
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