イラク戦争の最中であった 2004 年 4 月 4 日、イラク中南部の都市・ナジャフで、連合国暫定当局 (CPA) の施設がシーア派の武装勢力に襲撃され、民間軍事会社 (PMC)・ブラックウォーター社の社員と軍警察、アメリカ海兵隊員が決死の攻防戦を繰り広げるという事件が発生しました。
あれから 10 年。当時、ブラックウォーター社の社員として CPA の施設防衛に当たったトラヴィス・ハーレイ (Travis Haley) 氏が、「ナジャフの戦い」を振り返りました。
040404 Battle for Najaf Iraq revisited BLACKWATER – YouTube
ハーレイ氏は、世界中でタクトレブームを巻き起こした Magpul Dynamics の創設者・元インストラクターとして、日本でもよく知られています。
現在は Haley Strategic Partners 社を設立し独立、インストラクターとして活躍しながら、”Disruptive Environment Chest Rig” (D3CR) などのタクティカルギアの開発も行っています。
ハーレイ氏はアメリカ海兵隊に 15 年間所属し、その内 10 年間以上を武装偵察部隊 (通称フォース・リーコン) で過ごしました。中東、アフリカ、そして中央アジアでの実戦も経験しているそうです。
退役後、ハーレイ氏はいくつかの民間軍事会社 (PMC) や民間警備会社 (PSC) に入社し、政府関係者や軍高官、外交官などの護衛を務めました。中でも最も有名なのが、ブラックウォーター社 (現 Academi 社) です。
その後、ハーレイ氏は Simply Dynamic 社 (SDI) を立ち上げ独立。軍隊・法執行機関・民間向けのタクティカルトレーニングプログラムを提供し、これが後の Magpul Dynamics の基礎となりました。
ハーレイ氏は Magpul 社と協力関係を結んだことにより、Magpul 社のトレーニング部門となる Magpul Dynamics 社を創設します。トレーニングビデオ “The Arf of ~” シリーズの発売により、彼とクリス・コスタ氏のコンビは世界的にも有名になりました。その後ハーレイ氏は、親会社である Magpul 社の社長にも就任し、製品開発にも携わりました。
2011 年 1 月に Magpul 社を退社し、後に Haley Strategic Partners (HSP) 社を立ち上げました。ハーレイ氏は Panteao Productions 社のトレーニングビデオ “Make Ready with ~” シリーズにも出演し、現在も HSP でトレーニングサービスと製品開発を行っています。
先述の通り、ハーレイ氏の戦術と製品は、日本のサバイバルゲーム界隈にも大きな影響を及ぼしています。
今後、どのような活躍を見せてくれるのか楽しみですね。