“MBUS” (Magpul Back-Up Sight) は 2009 年に発売された Magpul 社のポリマー製バックアップアイアンサイト (BUIS) で、2011 年には、その改良版となる “MBUS2” が発売されています。
現在、Magpul 社のオンライン直販ストアを見る限り、MBUS2 は単に “MBUS” の名で販売されているようですが、昨年 4 月には、新たに “MBUS Pro” が発表されました。
MBUS Pro は、MBUS2 の単なる改良版では無く、特にその形状が大きく異なっています。
では MBUS2 と MBUS Pro、どこがどう違うのか、と疑問に思う人々は、やはり少なくなかったようです。
まずはフロントからです。
MBUS Pro は、MBUS2 に比べてとてもロープロファイルになっています。
MBUS2 はポリマー製で、ロックを外せば内蔵されたスプリングの力で自動的にポップアップするのに対して、MBUS Pro はスティール製で、スプリングを内蔵しておらず、手動で起こす必要があります。
また、サイトのエレベーション (上下) を調整する際に、MBUS2 は先の尖ったもの (アジャストメントツールが付属) が必要になる一方、MBUS Pro は、指で回せるダイヤルでエレベーションの調整が可能です。
MBUS Pro では、ヒンジを前方に配したことにより、サイトの高さを保ちながらコンパクト化することに成功しています。
MBUS Pro が MBUS2 よりもコンパクトであることがよく分かります。また、エレベーション調整用のダイヤルも確認出来ます。
次にリアです。
フロント同様に、MBUS2 はポリマー製・スプリング内蔵で、MBUS Pro はスティール製・手動式になっていて、MBUS Pro の方がロープロファイルです。
また、どちらも大小 2 つのアパチャー (ピープ, 覗き穴) を切り替えることが出来、ウィンデージ (左右) 調整用の指で回せるダイヤルも備えています。
やはり MBUS Pro は MBUS2 に比べてとてもコンパクトです。
ロープロファイルな MBUS Pro なら、ライフルスコープと併用しても、スコープに干渉する恐れがありません。全長も短くなったことにより、マグニファイヤーやナイトヴィジョンをマウントするスペースにも余裕が持てます。
こうして比較すると、MBUS Pro の方が良い、と言っているようにも思われますが、勿論 MBUS2 にもアドバンテージはあります。
例えば、「入手のし易さ」では MBUS2 に分があります。まず、販売価格を見ると……
- MBUS2 フロント: $39.95
- MBUS2 リア: $57.95
- MBUS Pro フロント: $84.95
- MBUS Pro リア: $104.95
(価格は全て Magpul 社のオンライン直販ストアのもの)
このように、MBUS2 は、MBUS Pro の約半分の価格で手に入れることが出来ます。
また、流通量で見ても、MBUS Pro は品薄状態が続いている一方、MBUS2 は在庫に余裕があるようです。
(ちなみに MBUS Pro はリアの方が品薄だとか……)
しかし、堅牢かつコンパクトな MBUS Pro も魅力的ですし、悩むところですね……。
MBUS Pro と言えば、リリース後間もなく中国製の贋物が出回り始めたことが話題となりましたが、日本国内においても、ノーブランドのレプリカがエアソフトガン用として販売されているのを見かけることがあります。レプリカ MBUS Pro の中には FDE カラーのものもあるようですが、実物にカラーバリエーションは無いということを付け加えておきます。
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