これぞ「タクティクール」の真髄、最先端の戦術を提唱する “Dynamic Pie Concepts”

これぞ「タクティクール」の真髄、最先端の戦術を提唱する “Dynamic Pie Concepts”

効率良く確実に脅威を排除するにはどうするか。そのために必要な戦術 (Tactics)、技術 (Techniques)、そして手順 (Procedures) は、まとめて “TTP” と呼ばれます。
刻々と変化する状況に合わせ、現代でも多くの TTP が開発され続けていますが、今回は、YouTube で話題沸騰中の、最先端の TTP を開発・提唱するグループ “Dynamic Pie Concepts” (DPC) をご紹介します。

 

Sweep the Leg Drill – YouTube

ナレーションの内容は以下の通り。

「脅威となる標的に対して、通常の動的応答による効果が得られない場合、標準行動手順に “Sweep the Leg” (脚を吹っ飛ばせ) ドリルを取り入れるべきだ。一般的な重力圏から脚部に移ることにより、標的を移動不能にし、脚部の多段的基盤を断つことが出来る。
標的の可動性を奪うことで、弾道学的処理を加えるべきかの判断がより容易になる。
オペレーターの弾薬基盤、武器の発射機構、そして戦闘行動範囲に応じて、”Sweep the Leg” ドリルは最大の打撃戦闘効果を発揮することが出来る。」

 

Urban Dictionary によれば、”sweep the leg” は慣用句で、「(情けや同情が無いことを示すために) 弱った相手に対して更に攻撃を加える; 追い打ちをかける; とどめを刺す」ことを意味するそうです。

 

……そう、彼らは、この「最先端の戦術」を通して、「戦術的機能」 (tactical) と「カッコ良さ」 (cool) の併存、いわゆる「タクティクール」 (tacti-cool) であることを、自虐的に風刺しているのです。
ロゴマークを見ても、「タクティカル・トレーニングサービスを提供している某人気インストラクター集団」のパロディであることは明らかです。
ナレーションにも、大袈裟で、遠回しな表現や、難しい専門用語などをわざと多用しているように思えます。

これは余談ですが、僕が DPC を知ったのは、この動画が公開された直後の昨年 9 月のことでした。動画を観て「これは面白い!」と思い、早速このブログで紹介しようと意気込んでいたのですが、この (少なくとも僕にとっては) 難解なナレーションを理解するのに難儀した結果、半年遅れの紹介となってしまいました。ごめんなさい。

 

パロディとは言えども、彼らは立派なシューターだということを付け加えておきます。
スピードと精度のバランスが問われる VTAC の 1-5 ドリルだって、この通り。なんと、あのトラヴィス・ハーレイ氏のタイムを抜いています。

1-5 Drill 1.44 seconds – YouTube

 

……もちろんネタですよ。

 

この他にも、DPC は YouTube にて様々な「ドリル」を公開しています。是非ご覧ください。

Dynamic Pie Concepts – YouTube